第二言語習得、早期英語教育、言語脳科学を研究しています
早稲田大学 理工学術院 尾島司郎研究室

研究の魅力

子供の第二言語習得はとても魅力に満ちた研究テーマです。多くの人は、第二言語は子供時代に学んだほうが効率がいいのではないかと思っており、実際、アメリカの移民の研究では、移住時の年齢は低いほうが、大人になった時の英語力が高いといったデータが報告されています。これはよく第二言語習得の「臨界期」の証拠と考えれています。「臨界期」は生物学的な概念であり、言語の研究をしながら人間という生物の特徴を調べていると思うと、わくわくしますね。

一方で、実際に子供の第二言語習得についてデータを集めると、必ずしも年齢の低い子供の第二言語習得が年齢の高い学習者よりも効率的であると言えないデータに出会うこともあります。「臨界期」は研究者が考えた仮説であり、真実は研究者の予想を裏切ることものあるのだと思わされるところも、研究の面白さです。

そして、子供の第二言語習得は、昨今の早期英語教育の広がりの中、多くの一般の方の興味を引き付ける社会的なテーマでもあります。大学の研究者が関心を持つ研究テーマが必ずしも一般の方の興味と一致するわけではないので、子供の第二言語習得は珍しく両方を満たしているテーマだと言えるでしょう。

尾島ラボではこのような研究テーマに、従来の言語学・心理学・教育学的な手法だけでなく、脳科学的な手法も用いながら挑んでいます。現在使用している脳波計は以前よりも高性能になっており、解析をして実際に綺麗な脳波がパソコンの画面に描出される瞬間は、楽しいの一言です。脳波は脳で生じている電気的な変化を頭の外から計測したものであり、自然現象を見ているような面白さがあります。

もちろん大変なことも多いですが、このような研究を面白がって挑んでくれる仲間を募集しています。